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家族や友人のように、患者さんとは公平なお付き合いがしたい
私は来院された方を「患者さま」とは呼びません。「患者さん」と呼びます。互いに対等な立場として、接したいと考えているからです。そしてそれは医療に携わる者としての、公平さを保つためでもあります。
来られる方を「お客さま」として扱っていたら、どうしても自分の利益と直結する提案をしてしまいがちになると思います。だからこそ私は、損得勘定なしに付き合っている家族や友人と同じように、患者さんとお付き合いしていきたいと思っています。
歯科医師として力を入れて学んできたことは何ですか?
治療で使う素材については、特に詳しく学んできました。素材によっては、体との相性が悪いものもあるからです。
例えば、被せ物にはいろいろな素材があります。長持ちするからとあまり硬すぎるものを入れても、天然の歯のように、自然とすり減っていってくれません。
体の変化に素材が対応しないと、やがて不自然な状況が生まれてしまいます。そのせいでお口の中の状況が悪化することもあるので、素材選びは妥協できません。
診療におけるこだわりを教えてください。
私は保険診療・自由診療を問わず、どんな治療でも妥協せずより良い治療を目指しています。保険内で良い治療ができれば、それに越したことはありません。
ただ、保険内だと使える素材や、製法に制限があるのも事実です。自分なりのこだわりがある方には、自由診療をおすすめします。とにかく一貫しているのは、いただく金額にかかわらず、全身全霊を尽くすということです。
説明やカウンセリングで重視していることはありますか?
患者さんの10年後、20年後のことも考えた提案をすることです。例えば、インプラントはメリットの多い治療ではありますが、ケアを怠ると手術して取り外さなくてはならなくなるほど劣化します。そのため、10年後自分でお手入れができないかもしれないご年配の方には、入れ歯のほうが合っていることもあります。
歯科治療には正解はありません。だからこそ、医療に携わる者として、私にはその方の将来も見据えた提案をする義務があると思っています。
スタッフの自慢できる点を教えてください。
みんなよく働いてくれています。それに、長く勤めてくれている人ばかりです。患者さんの悩みにも真摯に耳を傾けてくれますし、本当に頼りになります。
歯科医院のスタッフである前に、人としても尊敬できる部分がたくさんあります。家庭を切り盛りしながら仕事を続けていくなんて、誰でもできることじゃありませんから。
この町で開業しようと思ったのはなぜですか?
下町らしい雰囲気が気に入りました。住んでいる方々も気取らなくて、気さくで、自分に合っていると思えました。この場所を見つけたのは偶然ですが、「ここなら続けられるな」という確信がありました。
患者さんへメッセージをお願いします。
一人の歯科医師として、患者さんには歯を大切にしてもらいたいと思っています。そのために、まずは歯科医院に行って、情報を集めることをおすすめします。
ネット上にはたくさん情報があふれていますが、どれを信じていいかわからないと思います。そんなときには一人で考えるよりも、歯科医師と面と向かって話したほうが早いこともあります。人同士のコミュニケーションには、本当にいろいろな情報が詰まっていますからね。
そこで受けた印象をもとに、どの医院に通うか、どんな治療を受けるか、決めても遅くないはずです。私は人と人とのつながりの中にこそ、正解があると考えています。